ダークモードは電池持ちに影響しないときがある
Android・iPhoneなどのスマートフォンや、Windows・Macなどのパソコンには、ダークモード(ダークテーマ)が搭載されています。
ダークモードを使っている人に、ダークモードを使う理由やメリットを聞くと、こんな答えが返ってくるでしょう。
- かっこいいから
- 見やすいから
- 目に優しいから
- 電池持ちが良くなるから
最初の2つについては、好みの問題です。そして、3つ目の「目に優しい」のかという医学的な観点については、専門外なので解説しません。
この記事では、4つ目のダークモードにすることで「本当に消費電力が減るのか」についてディスプレイの構造から考えます。
結論
結論からいうと、ダークモードにすることで消費電力が減って電池持ちが良くなるかは、ディスプレイの種類によります。
液晶ディスプレイの場合
液晶ディスプレイの場合は、ダークモードにしても、消費電力はほぼ変わりません。
液晶ディスプレイの仕組みを簡単に説明します。
液晶ディスプレイは、画面の下に大きなバックライトが入っています。このバックライトによって発生する白色の光に、フィルターをかけることで、さまざまな色を表現しています。
たとえば、赤を表現したいときは赤、黒を表現したいときは黒のフィルターをかける、といったイメージです。
大きな白色のバックライトにフィルターをかけて色を表現しているということは、色によってバックライトの明るさが変化することはないということです。色によって変化するのはフィルターのみです。
これはつまり、ダークモードにしてもバックライトが暗くなることはなく、消費電力もほぼ変わらないということを示しています。
ただし、画面の明るさを下げれば、消費電力は少なくなります。これは、バックライトが暗くなるためです。
したがって、消費電力は画面の輝度によって変わりますが、ダークモードかどうかは関係ありません。
有機ELディスプレイ(OLED)の場合
有機ELディスプレイの場合、ダークモードにすることで、消費電力が少なくなります。
有機ELは液晶ディスプレイとは違い、各ピクセルが独立しています。
たとえば、赤を表現したい場合は赤のライトを点灯させ、黒を表現したい場合はライトを消灯させるといったイメージです。
したがって、有機ELディスプレイでは、ダークモードにすると消費電力が少なくなります。そしてもちろん、画面の輝度を下げても消費電力は減少します。
ただし画面が暗いときは、白い部分もそれほど明るくないので、消費電力の差は大きくありません。一方で、画面が明るいときほど、ダークモードによる節電効果が大きくなります。
まとめ
- 液晶ディスプレイの場合、ダークモードにしても消費電力はほとんど変わらない
- 有機ELディスプレイの場合、ダークモードにすることで消費電力が減り、バッテリー持ちがよくなる
- 画面が明るいほど、ダークモードによる節電効果は大きくなる