ATOKの2025年アップデートでは個人の入力傾向に合わせた変換とカスタマイズが可能に
昔ながらのIMEとして広く愛用されているATOKの2025年のアップデートが発表されました。
「ATOK Passport」Windows版に2025年2月3日から提供されるアップデートでは、最新技術を詰め込んだ「ATOKハイパーハイブリッドエンジン2」が搭載されます。また、利用者の趣味や仕事に特化した辞書を選択できる新サービス「ATOKわたしの辞書プラス」も併せてスタートするとのことです。
ATOKの2025年のアップデート内容
「ATOK Passport」は、日本語入力ソフト「ATOK」を常に最新バージョンで利用できるサブスクリプション型ののサービスです。Windowsだけでなく、macOSやAndroid、さらにはiOSにも対応した複数のプランが提供されており、最大10台までのデバイスで利用できます。
このサービスを利用することで、異なるプラットフォームでも統一された入力環境を構築でき、どこでも快適な日本語入力が楽しめます。
ATOK Passport Windows版に2025年2月3日から配信されるアップデートでは、次のような機能が追加されます。
ATOKハイパーハイブリッドエンジン2
ATOKハイパーハイブリッドエンジン2は、AIを活用して「変換強度」を判定する新しいエンジンです。この機能により、文章入力時の傾向に応じて変換候補がより的確に提示されるようになります。
とくに目新しいのが、「変換強度」という概念の導入です。
これまでの学習機能では直前に確定した単語が優先される仕組みになっていました。これにより、たとえばフリガナとして名前をカタカナで入力した場合、次回の変換時にもカタカナが優先されてしまうという問題がありました。
これに対して、新しいエンジンでは入力された単語の使用状況にもとづいて学習強度を自動調整します。
名前のフリガナなど、特定の場面で一時的に使われた単語が普段はあまり使われていない場合、その学習強度を弱め普段使う漢字表記を優先します。
また、学習にもとづく変換よりも日本語として自然な変換結果を優先することで、「学習が効きすぎない」ようにする機能も搭載されます。
ATOKわたしの辞書プラス
「ATOKわたしの辞書プラス」という、ユーザーそれぞれの職業や趣味に合わせた語彙をカスタマイズ可能にする新サービスも開始されます。
ATOKわたしの辞書プラスでは、特定の分野やジャンルに特化した辞書を追加できます。これにより、従来では変換が難しかった専門用語や独自の単語もスムーズに変換できるようになります。
利用できるジャンルは、IT、医療、法律といった専門職向けの用語から、スポーツやアニメなど趣味関連の語彙まで多岐にわたります。
たとえば、スポーツ解説を執筆するライターであればスポーツ辞書を選択し、頻繁に使用する選手名や競技用語を効率的に入力できるようになります。
ATOKわたしの辞書プラスには、ジャンルの提案機能が搭載されています。ATOKの利用中に入力や変換をするとその内容が解析され、関連するジャンル辞書を提案します。
たとえば、医療関係の用語や薬品名を頻繁に入力していると、それに関連した辞書が提案されます。
2025年2月時点では、次のジャンルの辞書が提供されます。また、2025年夏以降にジャンルを拡充する予定です。なお、★のついたジャンルはATOK Passport[プレミアム]プランでのみ利用できます。
ジャンル区分 | ジャンル |
---|---|
ビジネス・専門ジャンル | ★建築・土木 ★IT ★医療 ★電気・電子 ★法律 |
趣味・生活ジャンル | 旅行 芸能 アニメ 野球 サッカー |
地域ジャンル | 北海道 青森県 岩手県 東京都 大阪府 他 計47都道府県 |
まとめ
2025年2月に提供開始予定のATOKの最新アップデートでは、新搭載された「ATOKハイパーハイブリッドエンジン2」によって、より的確な変換候補を提示できるようになります。また、「ATOKわたしの辞書プラス」という、仕事や趣味に合わせた語彙環境を構築できる新しいサービスもスタートします。