フリーBGMへのリンクが原因でYouTube動画が削除されたとの事例が発生

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使用しているフリーBGMのリンクをYouTube動画の概要欄に貼っていたところ、その動画が削除されたとの事例が発生したようです。

事例の概要

「おとわび」というフリーBGMサイトへのリンクを貼っていたものの、そのWebサイトが閉鎖されて不審なWebサイトに変わってしまっており、その結果として不審なWebサイトへのリンクを貼っているということで動画が削除されたようです。

Webサイトを管理していた方の投稿によると、おとわびのWebサイトはすでに運営していない状態のため、リンクを貼っている場合は削除することを推奨しています。

このように、既存のWebサイトがいつの間にか別のサイトに変わっているということは、比較的よく発生します。

一般に、ドメイン(URLのhttps://のあとから次のスラッシュまでの部分)は、Webサイトの運営者がお金を払って購入する必要があります。

通常は1年ごとの契約となっており、Webサイトの運営者がお金を払うのをやめれば契約が終了し、そのドメインを誰でも購入できる状態になります。

契約が終了して誰でも購入できる状態になったドメインを購入することを「ドロップキャッチ」と呼びます。

ドロップキャッチによって中古のドメインを購入することで、ほかのWebサイトからの既存のリンクによってアクセスが集まることを期待できるため、今回のように悪用されることがあります。

過去には、ドコモが「ドコモ口座」のドメインを手放してしまい、競売にかけられるという事例が発生しました。

ドコモ口座の事例では、悪用を防ぐためにドコモが400万円で落札して取り戻したものの、一般の人が自身の運営するWebサイトを閉鎖してドメインを手放した場合は、ドメインが第三者の手に渡ってしまうことがあります。

ドロップキャッチによるトラブルを防ぐには?

YouTubeの動画に限らず、URLを貼っていたWebサイトがドロップキャッチによって別のWebサイトに変わってしまうと、閲覧者が不審なWebサイトに導入されてしまうことがあります。

こうした問題を完全に防ぐことはできませんが、可能な限りリスクを減らすことはできます。

具体的にはまず、大手企業の運営するWebサイト以外へのリンクは貼らないことで、ドロップキャッチによるトラブルのリスクを減らせます。

大手企業の運営するWebサイトは長期的に維持され、仮に閉鎖されたとしてもしばらくはドメインが維持される可能性が高いからです。

ちなみに、ドロップキャッチとは少し異なりますが、SNSではアカウントを削除した場合にそのIDをほかのユーザーに取得されてしまうことがあります。

そのため、大手企業の運営するWebサイトだとしても、SNSアカウントへのリンクは必ずしも安全とは限りません。

また、大手企業のWebサイト以外へのリンク一切貼らないということは、現実的には困難な場合があります。

緩和策として、定期的にリンクを確認し、不審なWebサイトに変わっていないか調査するという方法があります。

定期的に確認することで、ドロップキャッチを早期に発見でき、リンクを削除できます。

Webは自由度が高いですが、それにともなうリスクも存在します。

さまざまな利便性とリスクを天びんにかけ、WebサイトやSNSを運営していく必要があります。

#YouTube#セキュリティ#ニュース#解説

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生まれた時から、母国語よりも先にJavaScriptを使っていました。ネットの海のどこにもいなくてどこにでもいます。

Webフロントエンドプログラマーで、テクノロジーに関する話題を追いかけています。動画編集やプログラミングが趣味で、たまにデザインなどもやっています。主にTypeScriptを使用したWebフロントエンド開発を専門とし、便利で実用的なブラウザー拡張機能を作成しています。また、個人ブログを通じて、IT関連のニュースやハウツー、技術的なプログラミング情報を発信しています。