AI用のクリエイティブ・コモンズ「CC signals」登場 実装方法は?

AI用のクリエイティブ・コモンズ「CC signals」が一般公開されました。
CC signalsは、広く一般からの意見を募集しています。
CC signalsの概要
CC signalsは、コンテンツが機械によってどのように再利用されるかについての希望を表明できるようにします。
CC signalsは、Internet Engineering Task Force(IETF)によって開発されている技術標準にもとづいて設計されています。
クリエイティブ・コモンズのCEOのアンナ・トゥマドッティル氏は発表の中で、「CC signalsは、AI時代のコモンズを持続させるために設計されています」「かつてCCライセンスがオープンなWebを築いたように、私たちはCC signalsが相互性に根ざしたオープンなAIエコシステムの形成を後押しすると信じています」と述べています。
CC signalsは、機械と人間の両方が読み取れるように構築されており、法的・技術的・規範的な文脈を越えて柔軟に適用できます。
CC signalsの法的拘束力は場合によって異なりますが、常に倫理的な重みをともない、「与え」「受け取り」「再び与え」「私たちは共にある」という価値にもとづいているとのことです。
クリエイティブ・コモンズのWebページ では、CC signalsについて、「新しい財産権を作るのではなく、機械のマナーを定義するようなものです」と説明されています。
CC signalsの種類
各シグナルには、そのコンテンツを機械学習など、機械によって再利用する際の条件が含まれています。
CC signalsの初期提案には、次のシグナル要素が含まれています。
- クレジット(Credit):使用方法、手段、状況に応じて適切なクレジットを表記する必要があります
- 直接的な貢献(Direct Contribution):資産の利用と財務手段を考慮した誠実な評価にもとづいて、CC signalsの宣言者の資産の開発と維持のために、金銭または現物による支援を提供する必要があります
- エコシステムへの貢献(Ecosystem Contribution):コンテンツの利用者が恩恵を受けているエコシステム全体に対しても、利用状況と財務的能力に応じた誠実な評価にもとづいて、金銭的または現物による支援を提供しなければなりません
- オープン性(Open):使用するAIシステムはオープンでなければなりません。たとえば、AIシステムは「モデルのオープン性フレームワーク(MOF)」のクラスIIまたはクラスI、あるいは「オープンソースAI定義(OSAID)」を満たしていなければなりません
CC signalsの実装方法
CC signalsは、次のような形式のテキストを、robots.txtかHTTPヘッダーに含めることで宣言できます。
ai=n;exceptions=cc-cr
ai
:機械による再利用の範囲を示すカテゴリーn
:そのカテゴリーでの利用を拒否することを示す。許可する場合はy
にするcc-cr
:CC signalsの種類cc-cr
:Creditcc-cr-dc
:Credit Direct Contributioncc-cr-ec
:Credit Ecosystemcc-cr-op
:Credit Open
たとえば、robots.txtを利用する場合は、次のように記述します。
User-Agent: *Content-Usage: ai=n;exceptions=cc-crAllow: /
また、HTTPヘッダーを利用する場合は、レスポンスにContent-Usage
ヘッダーを含めます。
Content-Usage: genai=n;exceptions=cc-cr-ec
参考リンク
- Introducing CC Signals: A New Social Contract for the Age of AI - Creative Commons
- CC Signals Implementation - Creative Commons
- creativecommons/cc-signals: CC signals is a framework for a simple pact between those stewarding data, and those reusing it for AI development. CC signals provide a set of shared ground rules for an AI ecosystem that is mutually beneficial.
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生まれた時から、母国語よりも先にJavaScriptを使っていました。ネットの海のどこにもいなくてどこにでもいます。
Webフロントエンドプログラマーで、テクノロジーに関する話題を追いかけています。動画編集やプログラミングが趣味で、たまにデザインなどもやっています。主にTypeScriptを使用したWebフロントエンド開発を専門とし、便利で実用的なブラウザー拡張機能を作成しています。また、個人ブログを通じて、IT関連のニュースやハウツー、技術的なプログラミング情報を発信しています。