Astro v4.10リリース!型安全な環境変数を実験的にサポート

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オープンソースの静的サイトジェネレーター「Astro」のバージョン4.10がリリースされました。このリリースでは、新しい型安全な環境変数のサポートや、コンテナーAPIの強化、全HTTPメソッドに対応したリライト機能など、多くの新機能が追加されています。

この記事では、Astro 4.10のアップデート内容について詳しく解説します。

Astro 4.10の主な更新内容

実験的なastro:envモジュール

Astro 4.10では、新しい実験的なモジュールとしてastro:envが導入されました。このモジュールを使用すると、環境変数を型安全に扱うことができます。

環境変数を使うと、アプリケーションを異なる環境で異なる設定で動作させることができます。しかし、これは多くの複雑さを伴います。たとえば、クライアントとサーバーの両方で必要な変数があり、サーバー側の変数は機密情報であることが多いです。これらを効率的に管理するために、astro:envが開発されました。

以下は、astro:envの使い方の例です。

astro.config.ts
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import { defineConfig, envField } from "astro/config";
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export default defineConfig({
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experimental: {
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env: {
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schema: {
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API_PORT: envField.number({
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context: "server",
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access: "secret",
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default: 7000
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}),
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PUBLIC_DASHBOARD_V2: envField.boolean({
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context: "server",
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access: "public",
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default: false
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}),
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}
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}
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}
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})

定義した変数は、astro:env/serverastro:env/clientモジュールから取得できます。

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import { PUBLIC_DASHBOARD_V2, getSecret } from "astro:env/server";
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if (PUBLIC_DASHBOARD_V2) {
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const API_PORT = getSecret("API_PORT") // number
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await fetch(`https://my-secret-api.com:${API_PORT}/v2`)
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}

スキーマで定義されていない変数は、getSecret()で取得できます。これは、CloudflareやNode.js、Denoのいずれの環境でも動作します。

全HTTPメソッドでのリライト

バージョン4.9で導入されたリライト機能は、GETリクエストに限定されていましたが、Astro 4.10では、すべてのHTTPメソッドに対してリライトをサポートするようになりました。

これにより、異なるメソッドのリクエストを他のエンドポイントにルーティングできます。リライトは、新しいリクエストを作成し、既存のヘッダーやボディを新しいリクエストにコピーすることで実現されます。

たとえば、APIへのアクセスをデフォルトバージョンのAPIエンドポイントにリライトする場合、次のように記述できます。

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import { defineMiddleware } from "astro:middleware";
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export const onRequest = defineMiddleware(({ request, url }, next) => {
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if(request.method === "POST" && url.pathname === "/api") {
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return next("/api/v2");
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}
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});

Astroの埋め込み

Astro 4.10では、コンテナーAPIを使用してAstroコンポーネントを他のフレームワークや環境に埋め込むことができるようになりました。これにより、Astroコンポーネントをより多くの場面で利用することが可能になります。

公式ブログでは、PHPアプリケーション内でAstroコンポーネントを使用するデモが示されています。

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import * as components from "./dist/server/all.mjs";
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import { renderers } from "./dist/server/renderers.mjs";
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import { manifest } from "./dist/server/entry.mjs";
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import { experimental_AstroContainer as AstroContainer } from "astro/container";
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const container = await AstroContainer.create({
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manifest,
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renderers,
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resolve(s) {
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const found = manifest.entryModules[s];
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if(found) {
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return `/astro-project/dist/client/${found}`;
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}
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return found;
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}
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});
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const html = await container.renderToString(components.ReactWrapper);
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// Log to the console so that PHP injects the HTML into its page.
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console.log(html);

コンテナーAPIのヘルパー

また、コンテナーAPIをVite環境でより簡単に利用するためのヘルパー関数も追加されました。getContainerRenderer()を使用すると、各パッケージのクライアントおよびサーバーレンダリングスクリプトを手動で設定する必要がなくなります。

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import { experimental_AstroContainer as AstroContainer } from "astro/container";
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import ReactWrapper from "../src/components/ReactWrapper.astro";
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import { loadRenderers } from "astro:container";
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import { getContainerRenderer } from "@astrojs/react";
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test("ReactWrapper with react renderer", async () => {
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const renderers = await loadRenderers([getContainerRenderer()])
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const renderers = [
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{
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name: "@astrojs/react",
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clientEntrypoint: "@astrojs/react/client.js",
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serverEntrypoint: "@astrojs/react/server.js",
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},
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];
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const container = await AstroContainer.create({
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renderers,
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});
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const result = await container.renderToString(ReactWrapper);
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expect(result).toContain("Counter");
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expect(result).toContain("Count: <!-- -->5");
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});

Astro 4.10へのアップデート方法

既存のプロジェクトをAstro v4.10にアップデートするには、@astrojs/upgradeを使用できます。または、パッケージマネージャーのアップグレードコマンドを実行して手動でアップグレードできます。

Terminal window
npx @astrojs/upgrade
Terminal window
npm install astro@latest
pnpm upgrade astro --latest
yarn upgrade astro --latest

まとめ

Astro 4.10は、新しい型安全な環境変数のサポートや全HTTPメソッドでのリライト機能、コンテナーAPIの強化など、多くの新機能を含むリリースです。これにより、より柔軟で効率的な開発が可能となります。興味がある方はぜひ新しいバージョンを試してみてください。

また、Astro 4.10の詳細について紹介した動画も公開されているので、合わせてチェックしてみてください。

参考

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生まれた時から、母国語よりも先にJavaScriptを使っていました。ネットの海のどこにもいなくてどこにでもいます。

Webフロントエンドプログラマーで、テクノロジーに関する話題を追いかけています。動画編集やプログラミングが趣味で、たまにデザインなどもやっています。主にTypeScriptを使用したWebフロントエンド開発を専門とし、便利で実用的なブラウザー拡張機能を作成しています。また、個人ブログを通じて、IT関連のニュースやハウツー、技術的なプログラミング情報を発信しています。