ワンクリックでFirefoxをChromeに偽装できる「Chrome Mask」の特徴と使い方

一部のWebサイトにFirefoxでアクセスしようとするとブロックされることがあり、Chromeに切り替えるか、FirefoxをChromeに偽装する必要があります。Firefoxユーザーの中には、User-Agent Switcherなどの拡張機能を利用している方も多いと思います。
この記事では、よりシンプルな操作でFirefoxをChromeに偽装できる「Chrome Mask」を紹介します。
Chrome Maskとは?
Chrome Maskは、ワンクリックでFirefoxをChromeに偽装できるオープンソースのブラウザー拡張機能です。Mozillaの従業員が個人的に開発しているもので、デスクトップとAndroidのFirefoxに対応しています。
ユーザーエージェント文字列をChromeに偽装することで、一部のWebサイトで実施されているブラウザーチェックや制限を回避し、スムーズに閲覧できるようにします。
Chrome Maskは、すべてのWebサイトでユーザーエージェントを偽装するのではなく、選択したWebサイトでのみChromeに偽装します。
User-Agent Switcherなどの拡張機能はユーザーエージェント文字列の変更を目的としていますが、Chrome Maskは単にChromeに偽装することのみを目的としています。
ほかにも、一般的なユーザーエージェント偽装ツールとは異なる点がいくつかあります。
自動アップデート
通常のユーザーエージェント偽装ツールでは、ブラウザーのバージョン情報を手動で更新する必要があります。
一方で、Chrome MaskはAPI経由で24時間ごとにChromeの最新バージョン情報を自動で取得し、反映します。そのため、常に最新のChromeとしてWebサイトに認識されます。
OSの自動判別
一般的なユーザーエージェント偽装ツールでは、ブラウザーのバージョンやOSを自分で選択する必要があります。
これに対して、Chrome Maskは利用中のOSを自動で判別し、最適なユーザーエージェント文字列を設定します。
このため、「ユーザーエージェント文字列を細かく設定してWebサイトの動作確認をしたい」といった用途には向きませんが、単に「Chromeに偽装したい」という用途においては非常に便利です。
APIの偽装
一部のWebサイトでは、ユーザーエージェント文字列だけでなく、JavaScriptでブラウザー固有の機能を検出してアクセス制限を設けている場合があります。
Chrome Maskは、navigator.vendor
やグローバルなchrome
オブジェクトなど、ブラウザーチェックによく用いられるAPIを自動的に偽装します。
これにより、一般的なユーザーエージェント偽装ツールと比較して、より確実にブラウザーチェックを回避できます。
Chrome Maskが対応していないこと
Chrome Maskはユーザーエージェントと一部のAPIを偽装することに特化しているため、ChromeのみのWebプラットフォームAPIや、クライアントヒント(Client Hint)ヘッダーの偽装には対応していません。
インストール方法と使い方
Chrome Maskは、AMO(addons.mozilla.org)からダウンロード・インストールできます。
インストール後はツールバーにアイコンが表示され、クリックすると現在の状態がポップアップで表示されます。
Mozillaの従業員が開発しているためか、Chrome Maskがないとアクセスできないサイトを見つけた場合は、Mozillaに報告するよう求めるメッセージが記載されています。もちろん報告は任意です。

ポップアップの中央に表示されているトグルスイッチをクリックすると、アイコンがFirefoxからChromeに切り替わり、サイトが自動的に再読み込みされます。

このように、Chrome Maskを使うとワンクリックで簡単にChromeに偽装できます。
Chromeでしか利用できない機能を利用しているWebサイトはChrome Maskを使っても動作しませんが、実際には利用できるにもかかわらずFirefoxをブロックしているWebサイトは、Chrome Maskを使うことでアクセスできるようになります。