Cloudflare PagesでGitサブモジュールを使う方法

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この記事では、Cloudflare PagesでGitサブモジュールを使う方法について、具体的な設定方法とともに解説します。

はじめに

これまで、このブログのソースコードと記事をすべてひとつのリポジトリーにまとめて公開していたのですが、最近、ソースコードと記事を別のリポジトリーに分けて管理するようにしました。

といった理由があります。このようにリポジトリーを分ける場合、記事のリポジトリーをソースコードのリポジトリーにサブモジュールとして追加すると便利です。

このブログで利用しているCloudflare Pagesでサブモジュールを使う方法についての記事があまり見当たらなかったので、今回はその方法を詳しく解説します。

1. サブモジュールを追加する

まずは、通常どおりにサブモジュールを追加します。

Terminal window
git submodule add <リポジトリーのURL> <ディレクトリー名>

2. サブモジュールの参照をSSH経由に変更する

Cloudflare Pagesでは、サブモジュールをSSH経由で参照する必要があります。HTTPS経由で参照しようとすると、認証エラーが発生します。

Terminal window
16:24:52.348 Cloning into '/opt/buildhome/clone/src/content/article'...
16:24:52.349 fatal: could not read Username for 'https://github.com': Input/output error
16:24:52.349 fatal: clone of 'https://github.com/Robot-Inventor/blog-article.git' into submodule path '/opt/buildhome/clone/src/content/article' failed
16:24:52.349 Failed to clone 'src/content/article'. Retry scheduled

認証エラーを回避するには、.gitmodulesを編集してサブモジュールの参照をSSH経由に変更します。

.gitmodules
[submodule "<ディレクトリー名>"]
path = <ディレクトリー名>
url = https://github.com/[org]/[repository].git
url = [email protected]:[org]/[repository].git

ただし、SSH経由に変更したあと、新たにリポジトリーをローカルのPC上にクローンしようとすると、認証エラーが発生することがあります。参照先の書き換えに使ったPCでは、おそらく問題なく動作しますが、他のPCでは認証エラーになる可能性が高いです。ローカルでSSHの設定をしていない場合は、.git/configを編集することで、そのPCでのみサブモジュールをHTTPS経由に上書きできます。

.git/config
[submodule "<ディレクトリー名>"]
url = [email protected]:[org]/[repository].git
url = https://github.com/[org]/[repository].git
active = true

3. Cloudflareにリポジトリーへのアクセス権限を付与する

Cloudflare Pagesでサブモジュールを利用するには、サブモジュールとして追加したリポジトリーへのアクセス権限をCloudflareに付与する必要があります。

Cloudflare Pagesの新規プロジェクトの作成画面を開き、[Gitに接続]をクリックします。

Cloudflare Pagesのプロジェクトの新規作成画面

リポジトリーの選択画面が表示されます。サブモジュールとして追加したリポジトリーがここに表示されていない場合は、[リポジトリが表示されていない場合は、GitHub のCloudflare Pagesのアプリに対するリポジトリ アクセスを構成します。]というリンクをクリックします。GitHubの認証画面が表示されるので、サブモジュールとして利用したいリポジトリーへのアクセス権限を追加します。

リポジトリーの選択画面のスクリーンショット

アクセス権限を追加したら、新しいCloudflare Pagesプロジェクトを作成せずに画面を閉じてしまって問題ありません。

4. ビルド時にサブモジュールを更新するコマンドを追加する

さて、ここまでの設定でCloudflare Pagesでサブモジュールを利用できるようになりました。しかし、サブモジュールを更新するには、手動でgit submodule update --remoteを実行する必要があります。

Cloudflare Pagesでビルド時に自動的にサブモジュールを更新するには、ビルドスクリプトにgit submodule update --remoteを追加します。たとえば、私のリポジトリーではAstroを利用しており、npm run buildでビルドできるようにしているので、buildスクリプトを次のように変更しました。

package.json
{
"scripts": {
"build": "astro build",
"build": "git submodule update --remote && astro build",
}
}

5. サブモジュールの更新時に自動でビルドする

私の場合は、ブログのソースコードのリポジトリーに、記事のリポジトリーをサブモジュールとして追加しました。この場合、記事のリポジトリーが更新されたら自動的にビルドしてほしいので、GitHub Actionsとdeploy hookを利用します。

まずは、Cloudflare Pagesのプロジェクトの設定画面を開き、deploy hookのURLを作成します。プロジェクトの設定の[ビルド&デプロイ]タブを開き、[デプロイフック]セクションで[デプロイ フックを追加します]からdeploy hookを作成します。

deploy hookの設定画面

次に、サブモジュールとして利用しているリポジトリーにGitHub Actionsの構成ファイルを追加します。ただし、ブランチ名とdeploy hookのURLは適切なものに変更してください。

.github/workflows/deploy-hook.yml
name: Deploy Hook
on:
push:
branches:
- master
jobs:
deploy:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- name: Checkout code
uses: actions/checkout@v2
- name: Deploy to Cloudflare Pages
run: curl -X POST "<deploy hookのURL>"

これで、サブモジュールとして利用しているリポジトリーが更新されたら、自動的にビルドされるようになりました。

まとめ

Cloudflare Pagesでサブモジュールを利用する方法について解説しました。サブモジュールを利用することで、複数のリポジトリーを組み合わせて管理できるため、大規模なプロジェクトを管理する際に便利です。

Cloudflare Pagesでサブモジュールを利用するには、SSH経由でサブモジュールを参照する必要があることに注意してください。

参考

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生まれた時から、母国語よりも先にJavaScriptを使っていました。ネットの海のどこにもいなくてどこにでもいます。

Webフロントエンドプログラマーで、テクノロジーに関する話題を追いかけています。動画編集やプログラミングが趣味で、たまにデザインなどもやっています。主にTypeScriptを使用したWebフロントエンド開発を専門とし、便利で実用的なブラウザー拡張機能を作成しています。また、個人ブログを通じて、IT関連のニュースやハウツー、技術的なプログラミング情報を発信しています。