AndroidのアップデートでLinuxターミナルが追加!使い方を解説

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AndroidのアップデートでLinuxターミナルアプリが追加された

Google Pixelの2025年3月のアップデートで、Linux(Debian)のターミナルが標準搭載されるようになりました。今後、Google Pixel以外のAndroid端末でも、アップデートによってLinuxターミナルを利用できるようになると思われます。

この記事では、新しく追加されたLinuxターミナルを有効化する方法と使い方について解説します。

AndroidにLinuxターミナルが標準搭載へ

Google Pixelの2025年3月のアップデートで、Linux(Debian)のターミナルが標準搭載されるようになりました。

これまで、AndroidスマートフォンでLinuxコマンドを利用するには、Termuxのようなサードパーティアプリを利用する必要がありました。

しかし、AndroidにLinuxターミナルが標準搭載されるようになったことで、サードパーティのアプリを利用せずにLinuxコマンドを実行できるようになりました。

新しく追加されたこのLinuxターミナルは、Android仮想化フレームワーク(Android Virtualization Framework:AVF)と呼ばれる仕組みを利用して構築されています。

Termuxは仮想マシンではないため、Android NDKでクロスコンパイルされたパッケージを利用していますが、今回追加されたLinuxターミナルはAVFを使った仮想マシンです。

AVFは最新のほとんどのAndroidスマートフォンで利用できるため、今後、Google Pixel以外のAndroid端末でもアップデートによってLinuxターミナルを利用できるようになると思われます。

ただし、SamsungのGalaxyシリーズは、AVFをハードウェア的にはサポートしているにもかかわらず無効化しているため、Linuxターミナルを利用できない可能性があります。GalaxyはAndroid 16でAVFをサポートする可能性があるものの、実際に利用できるようになるかは不明です。

Linuxターミナルを有効化する方法

Linuxターミナルは標準で無効化されているため、手動で有効化する必要があります。有効化時には、約567MBのデータをダウンロードする必要があるため、Wi-Fi環境でのダウンロードを推奨します。

  1. 設定アプリを開く

  2. [デバイス情報]>[ビルド番号]を7回タップして開発者向けオプションを有効化する

  3. 設定アプリの[システム]>[開発者向けオプション]を開く

  4. [Linux開発環境]をタップする

    Androidの開発者向けオプションのスクリーンショット
  5. [(試験運用版)AndroidでLinuxターミナルを実行する]のトグルスイッチをオンにする

    Linux開発環境 (試験運用版)AndroidでLinuxターミナルを実行する 無効にすると、Linuxターミナルのデータが消去されます
  6. スマートフォンのアプリの一覧から[ターミナル]を開く

    ターミナルアプリのアイコン
  7. 通知の許可を求めるダイアログが表示されるので許可する

    通知の送信をターミナルに許可しますか?[許可][許可しない]
  8. [インストール]ボタンをタップする

    Linuxターミナルをインストールする Linuxターミナルを起動するには、ネットワーク経由で約567MBのデータのダウンロードが必要です。続行しますか? Wi-Fi使用時にのみダウンロードする [インストール]
  9. ターミナルのインストールに成功すると、[ターミナルを準備しています]と表示されます

    ターミナルを準備しています
  10. しばらく待つとターミナルが起動します

    Linuxターミナルのスクリーンショット

これで、AndroidのLinuxターミナルを利用できるようになりました。ターミナルを起動すると、DebianのLinuxコマンドを利用できるようになります。

Termuxと同じように、矢印キーやCtrlキー、Tabキーなどのショートカットキーを利用できます。

記事執筆時点では、v12.8のDebianがインストールされているようです。Debianのバージョンは、ターミナルを起動後にcat /etc/os-releasecat /etc/debian_versionを実行することで確認できます。

Fastfetchをインストールしてみる

デバイスの情報を表示するコマンドとしてはneofetchが有名ですが、すでに開発が終了してしまっています。

そこで、この記事では代わりにFastfetchをインストールしてみます。

Fastfetchは、Debian 13以降ではapt install fastfetchコマンドでインストールできます。しかし、AndroidのLinuxターミナルはDebian 12.8なので、別の方法でインストールする必要があります。

Fastfetchをインストールするには、まずFastfetchのGitHubのリリースページにアクセスし、fastfetch-linux-aarch64.debのURLをコピーします。

URLをコピーしたら、次のコマンドを実行することでFastfetchをインストールできます。なお、wgetコマンドの引数はコピーしたURLに置き換えてください。

Terminal window
wget https://github.com/fastfetch-cli/fastfetch/releases/download/2.38.0/fastfetch-linux-aarch64.deb
sudo apt install ./fastfetch-linux-aarch64.deb

インストールできたら、fastfetchコマンドを実行することで、仮想マシンの情報を表示できます。

Terminal window
fastfetch
fastfetchの実行結果のスクリーンショット
#Android#Google#HowTo#Linux#オープンソース#プログラミング

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生まれた時から、母国語よりも先にJavaScriptを使っていました。ネットの海のどこにもいなくてどこにでもいます。

Webフロントエンドプログラマーで、テクノロジーに関する話題を追いかけています。動画編集やプログラミングが趣味で、たまにデザインなどもやっています。主にTypeScriptを使用したWebフロントエンド開発を専門とし、便利で実用的なブラウザー拡張機能を作成しています。また、個人ブログを通じて、IT関連のニュースやハウツー、技術的なプログラミング情報を発信しています。