Material Web Componentsがメンテナンスモードへ 新機能の開発は中止もプロジェクト継続を模索中
Googleが開発する「Material Web Components(MWC)」が、メンテナンスモードに入ることが発表されました。
Material DesignチームがGoogleの大規模内部フレームワーク「Wiz」のサポートに集中するため、MWCに割り当てられていたエンジニアを再配置したことが原因とのことです。
Material Web Componentsとは?
Material Web Components(MWC)は、Googleのデザインシステム「Material Design」をWebで利用するための、フレームワーク非依存のコンポーネントライブラリーです。
Web標準のWeb Componentsをベースにした「Lit」を使用して構築されていることが特徴です。
Web Componentsは、カスタム要素、シャドウDOM、テンプレートなどを使って再利用可能なUIコンポーネントを作成するための標準仕様です。
Litは、これらのWeb Componentsを簡単に扱うためのライブラリーで、高いパフォーマンスと開発のしやすさが特徴です。
ちなみに、筆者が開発しているオープンソースの「Shadowban Scanner」もMaterial Web ComponentsとLitを使用しています。
メンテナンスモードの影響
MWCがメンテナンスモードに入ることについての要点は、次のとおりです。
- 新機能の開発は停止
- プルリクエストは原則として受け付けない
- 非推奨化や廃止の予定はない
Material Designチームは今後、新しい機能やコンポーネントの開発をしないことを明らかにしています。
記事執筆時点でMWCの最新バージョンはv1.5.0ですが、Material Designのいくつかのコンポーネントはまだ実装されていません。こうしたコンポーネントは、今後も追加されない可能性があります。
また、メンテナンスモードへの移行に伴い、プルリクエストは原則として受け付けなくなります。ただし、小規模なプルリクエストについては、ケースバイケースでレビューされる可能性があるとのことです。
今後のサポートは、Material Designチームのボランティア時間に依存する形になります。
チームは現在、新しいメンテナーを探しており、コミュニティ主導の開発への移行を含め、新機能やコンポーネントの開発を継続する方法を模索しているとしています。
まとめ
GoogleのMaterial Web Components(MWC)がメンテナンスモードに移行することで、新しい機能開発が停止されますが、プロジェクト自体が終了するわけではありません。今後の動向として、コミュニティ主導の開発や新しいメンテナの確保が期待されます。また、Google内部のWizプロジェクトとの連携も進められており、今後のMaterial Designの展開に注目が集まります。