VS Codeの人気な拡張機能「Material Theme」がマルウェア疑惑で削除

サムネイル
Material Themeがストアページから削除されている

Visual Studio Codeの390万回以上インストールされた人気なテーマ「Material Theme」が、Visual Studio Marketplaceから削除されていたことが分かりました。

「問題があると報告された」ことが理由です。また、真偽は不明ながら、悪意のあるコードが含まれていたという可能性も浮上しています。

Material Themeが削除される

「Material Theme」は、Googleの「Material Design」をもとにした人気のあるVS Codeのテーマです。2月25日までに390万回以上インストールされていました。

2025年2月26日ごろに、Material ThemeがVS Code向けのVisual Studio Marketplaceから削除されました。

このテーマをインストールしている場合は、自動的にアンインストールされます。アンインストール時のメッセージには、次のように表示されていたようです。

We have uninstalled ‘equinusocio.vsc-material-theme’ which was reported to be problematic.

筆者訳:
問題があると報告された「equinusocio.vsc-material-theme」をアンインストールしました。

記事執筆時点でMaterial Themeのストアページにアクセスすると、404エラーが表示されます。

404 - Page not found. Looks like this page doesn't exist or can't be found. Make sure the URL is correct.
ストアページも削除されている

また、GitHubリポジトリーは、下ネタのスラングを含むまったく異なる名前に変更されています。さらに、コミット履歴がすべて削除された上で、ソースコードも一部を除き削除されています。

削除された理由は?

Hacker NewsではVS Codeチームを名乗る人物が現れ、詳細を語っています。

それによると、Material Themeに悪意のある意図を示す複数の兆候があるとの報告を、Microsoftのセキュリティ研究者が確認し、さらに追加の不審なコードを発見したとのことです。詳細は近日中にVisual Studio MarketplaceのGitHubリポジトリーで発表されるとのことです。

ただし、記事執筆時点で本件に関してMicrosoftからの公式な発表はなく、これらの主張の真偽は不明です。

昨年10月には、Material Themeの作者がApache 2.0のオープンソースからクローズドソースに移行し、有料化することを検討していると述べていました。また、それに伴い一部のコードが難読化されていたようです

ほかにもMaterial Themeの作者は、Zed向けのMaterial Themeに対して商用ライセンスに違反しているとの主張を展開するなど、物議を醸していました。

Zed向けのMaterial Themeは、Material Themeのオープンソースバージョンの配色を利用している上に、そもそもソースコードは利用していないとのことです

なお、前述のHacker Newsの人物によれば、Material Themeの削除は著作権やライセンスの問題とは一切関係なく、悪意のある意図の可能性によるものとのことです。

代わりのテーマは?

今回の件を受けて、AIチャットサービスのT3 ChatのCEOを務めるTheo氏が、Material Themeのフォークを公開しています。このフォークでは、悪意のあるコードが含まれていないことを確認したとのことです。

参考リンク

#GitHub#Microsoft#オープンソース#セキュリティ#ニュース
Xに共有する Blueskyに共有する Misskeyに共有する LINEに共有する Threadsに共有する

おすすめアイテム

※このリンクを経由して商品を購入すると、当サイトの運営者が報酬を得ることがあります。詳細はこちら

著者のアイコン画像

生まれた時から、母国語よりも先にJavaScriptを使っていました。ネットの海のどこにもいなくてどこにでもいます。

Webフロントエンドプログラマーで、テクノロジーに関する話題を追いかけています。動画編集やプログラミングが趣味で、たまにデザインなどもやっています。主にTypeScriptを使用したWebフロントエンド開発を専門とし、便利で実用的なブラウザー拡張機能を作成しています。また、個人ブログを通じて、IT関連のニュースやハウツー、技術的なプログラミング情報を発信しています。